信用を切り売りする企業に未来はない

良い商品を消費者に届けたいという理念を持ち、行動していた企業があった。

良い商品を安くという訳ではないので値段もそれなりだったが、品質も悪くなく、高くても良い商品を求める消費者には支持されていたのではないかと思う。

何分商品のジャンルがマニアックだったこともあり、高くても買う人は存在しており、あの企業が取り扱う商品だかと信用していたという人も多かっただろう。

それも昔の話になってしまった。

事の発端は企業のトップが代わったことだ。

カリスマ性のあるトップから二代目に代わり、企業としての方向性が変わったのだろう。

微妙に付き合いのあった内部の人間の話では退職者が少なくなかったようだ。

何があったのか詳細は不明だが、少なくない退職者が出たということから良からぬ変化があったことは推測できる。

トップの交代から1年すら経たず、企業から受ける印象が変わってきた。

私はその企業が発行するメールマガジンを購読しているのだが、メールマガジンの担当者が変わった影響なのか、いつしか商品の紹介が増えたように思えた。

その程度の変化では収まらず、やがて二代目がいかに優秀な人間なのかをアピールするような内容を目にするようになった。

大切なことは良い商品を消費者に届けることではなかったのだろうか。

それが売り上げ重視の方針になり、商品の宣伝が増えたのではなかろうかと推測する。

方針の変化が内部の人間の反発を招き、少なくない退職者が出たのではないだろうか。

しかも方針の変更が社の内外問わず上手くいかず、カリスマ性のあった先代を真似て二代目もカリスマ性を前面に押し出して状況の改善を図ったのではないだろうか。

先代は良い商品を消費者に届けることで信用を集めた。

二代目は消費者を大切にしている印象がない。

個人的に決定的だった出来事があった。

とある商品の紹介が、まるで詐欺に近いボッタクリ商品にありがちな内容だったことだ。

「この商品を買ったら宝くじに当たりました」とか「この商品のおかげで彼女が出来ました」みたいな内容だ。

さすがにその紹介はないだろう。

良い商品を消費者に届けるのではなく、騙されやすく金になる消費者を狙った紹介文だ。

これが二代目の方針なのかと幻滅した。

このままでは企業として築き上げた信用を失うだろう。

今までの信用を切り売りするようでは、遠くない将来に誰もが見切りをつけるだろう。

むしろそうなりかけているから売ることに必死になっているのかもしれない。

坂道を転がり落ちて勢いが増しているような状況だ。

それを止められる優秀な人材はもういないのだろう。

内部の優秀な人間のほうが変化を敏感に感じ取り見切りを付けたのだろう。

この企業の未来は暗い。

なお、この話はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません。

もし似た状況の企業があったとしても、それはトップの交代が上手くいかない場合の、ありがちなパターンだと思われます。

信用の大切さを訴えるため書いてみた創作文であることをご理解ください。

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